フットサルをはじめたての人はフットサルの守備は基本「マンツーマン」で良いと思っているのではないでしょうか?
実際、フットサル初心者で構成されたチームは個人個人にべったりマークをついてしまい裏へのケアが疎かになってしまうチームが多い印象を受けます。
勿論、マンツーマンDFはフットサルの守備戦術の一つとして非常に有効な戦術であるのは間違いありませんが、個の能力がさほど高くないのであれば複数DFラインの構築を意識したゾーンDFにしないと守備が崩壊します。
この複数DFラインの概念を理解していないのはフットサル戦術の『フ』の字も知らないと言われるくらい非常に重要な概念あり、守備だけでなく攻撃をする際もこのDFラインを如何に攻略するかが重要になってきます。
今回の記事では、フットサルの守備戦術において絶対に押さえておかないといけない複数DFラインの構築を中心に守備の基本概念について図や動画を交えて徹底解説します。
フットサルの攻守における基本原理
フットサルは相手より多くのゴールを奪い、より少ない失点に済ませれば勝てるスポーツである。
勝つためにゴールを奪うためにはシュートを撃たなければならず、より可能性の高いシュートを撃つためには相手の守備組織を破壊するためにスペースを見つけ出し、そのスペースを有効活用することが重要である。
つまり、フットサルの攻撃は如何にスペースを作り出し、見つけ出すことで有効活用することが重要であり、攻撃と守備が表裏一体であることを考えるとフットサルの守備は如何にスペースを埋めて相手にスペースを有効活用させないかが重要である。
もっと簡潔に言うとフットサルはスペースのスポーツであるとも見て取れる。
そのためフットサルの守備ではより多くのスペースを埋めてカバーするためにDFラインを複数構築する必要がある。
このDFラインが多ければ多いほど安全性が高く、ゴレイロを含めた5人で3~4列(ライン)形成するのが望ましい。
これらのことを踏まえて攻守の基本原則をまとめると
- 攻撃:相手の守備ライン間を引き離す、または吸収させること
- 守備:守備ラインをコンパクトに保ち、決して一列にならないこと
この基本原則が非常に重要である。
では具体的にどういうことなのか見ていこう。
3-1 フィクソがボールを持った時
複数守備ラインの構築はフットサルの守備全般において重要な概念ではあるが今回は3-1の中でも偽ピヴォの配置の戦術に対する守備を例に説明する。
フィクソがボールを持った時、青1番はボールホルダーにプレスをかける一方、2列目の青2番と青3番は相手のアラの選手に背後を取られない距離感を保つ。
このとき、赤のアラに対してべったりついてしまったり、ボールが相手の足元にあるときに距離を詰めて前がかりになってしまうとバ で簡単に裏を取られてしまう。
基本的に、ゴールに背を向けたディフェンダーとゴールに向かっているオフェンスが一斉にスタートして競争すれば、オフェンスが勝つため、ディフェンダーはそれを考慮して適切な距離感を取らないといけない。
ボールがフィクソからアラにボールが出るのを予測してボールが出る前にはスタートを切り、最大限相手に寄せ、相手がトラップした瞬間には必ず止まり、トンパなどで一発で抜かれないようにする。
プレスをかけるディフェンダーは基本的にゴールとボールの間に立つことと相手の利き足を考えて切るコースを意識する。
アラにボールが出た時
アラにボールが出た時、青1番の選手は図のようにアラからアラへのコースを切る適切なポジショニングをとる。
アラアラを切る重要性はこの後解説する。
青2番の選手は逆アラにべったり付くのではなく、少し絞ることでDFの1st lineを突破された時に備えカバーリングを意識する。
2nd line 逆サイドの絞り具合
このときの青2番の絞り具合は青2番のアジリティや守備範囲によって変わるが、最低、上図のようにボールから遠いサイドのポストの延長線上まで絞るのが望ましい。
どの程度絞るかはチームによって決めておくと望ましい。
カバーの意識 予測と判断
上図のようにボールホルダー(アラの選手が)縦突破を試みようとした場合、1st lineを突破されるのを予測して青2番はスタートを切る。
ここまでの流れを実際の試合の動画を通して確認。
悪い例① 1st lineと2nd lineが近い
これはフットサル初心者が非常によくやりがちな典型的な悪い例である。
青2番が相手選手(赤アラ)にマークすることに気を取られ、1st lineのカバーリングが行えていない。
一見、上図からみると複数のラインが構築されているように見えるが、守備ライン同士が近すぎるとラインは重なり、一つの列(ライン)としてしか機能しない。
つまり、今回の局面ではゴレイロを含め、実質3つのラインしか構築出来ていない。
このような現象をフットサルでは複数DFラインの吸収と言ったりする。
この複数DFラインの吸収を起こすのに優れた戦術が3 on line(3人が横並びになる戦術)である。
このようにアラの縦突破をカバー出来なければ、2vs1(ゴレイロを入れて2vs2)を作られ数的不利が発生し、失点するリスクもかなり高くなってしまう。
複数DFラインの構築の重要性が非常に身に染みる例である。
悪い例② 1st lineと 2nd lineが遠い
一見、青2番はしっかり絞ることで1st lineを突破された時に備えたカバーリングが行えているように見えるが1st lineと2nd lineが遠すぎるので宜しくない。
このようにラインとラインの間が遠いとエントレリネアス(ライン間)を簡単に使われてしまう。
守備ライン同士が離れすぎれいたら、実行可能なはずのカバーリングが効率的に機能しないため、ライン間でのプレーを可能とする広いスペースを与えることになる。
ライン間を使われると、DFに迷いが生じ組織的な守備が崩壊する恐れがある。
つまり、守備ラインと守備ラインの距離感は近すぎず、遠すぎず、適切な距離感を保たなければいけない。
悪い例③ アラアラを切れていない
アラアラのコースを切れていないと簡単に1st lineを突破される上にサイドチェンジされ、守備の連動(スライド)が遅れるので最悪である。
上図のように守備に迷いが生じ、守備組織が一時的に崩れてしまう。
フットサルで『アラアラ』という言葉が試合中に飛び交うことがあるのはこれが要因である。
また、基本的にフットサルの守備において一つ飛ばしのパスはあまり許容してはならない原則がある。
まとめ
今回はフットサルの守備において非常に重要な原理原則、『複数ラインの構築』について解説しました。
フットサルをはじめたばっかりの人は一度でこれらのことを理解するのは難しいと思いますので、何度もこの記事をみて復習してみてください。
この基本原則さえ押さえてば
- プレスの高さ、ラインをどこに設定するのか?
- マーク交換の頻度をどの程度行うのか?
- どのような陣形で守るのか?
- ゾーンなのか?ミックスなのか?マンツーマンなのか?
- どのような意図、目標でどこでどの程度のプレスをかけるのか?
これらの要素をプラスしていくことで組織的な守備が完成します。
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