この記事ではトランジション数的同数(1vs1,2vs2)について解説します。
この局面は選手の数では相手と同じだが、相手が整ってない状況のため、フィニッシュまでいくのは簡単ではなく、ときには試合の流れを見てあえてゆっくり攻める(遅攻)の判断が求められる。
では一つ一つ具体的な図を見ながら整理していこう。
数的同数からはじまる局面の推移(分岐)
数的同数の状況から考えれうる局面の推移は上図のようになる。(ボールをロストした場合等は省略)
数的同数の局面で攻撃側が次のアクションを考慮する上で重要なのは味方の上がりと相手チームの撤退のどちらがはやいかである。
- 味方の上がり>撤退→テンポライズ→数的有利
- 味方の上がり<撤退→速攻or遅行
この記事では組織化する(定位置攻守になる)までゆっくり攻める(遅攻)は省略する。
1vs1
味方の上がり>相手の撤退→テンポライズ→2vs1
味方がボールを追い越したら、数的不均衡の2vs1へ推移したものとして考える。
味方の上がり<相手の撤退
速攻or遅攻
味方の上がりより撤退者の戻りの方がはやい場合は目の前のDFと1vs1を仕掛けてシュートまでいく(速攻)か、あえて組織が整うまで待つ(遅攻)の2つの選択肢がある。
どちらかを選ぶかはボール保持者の個の能力(ドリブル、シュート等)によって決断するのが望ましい。
テンポライズ:数的不利(1vs2)→数的有利(3vs2)
相手の撤退により1vs2になった後、味方2人の上がりが期待出来るのであれば、ボールを少しセンターに運びながら時間を作り(テンポライズし)味方の追い越しを待つことで3vs2をつくることが出来る。
せっかく数的有利を作れたのにテンポライズされて数的不利になってしまうのは勿体ないので敵がボール保持者を追い越す前に奪いに行くアクションをするのも有効である。
その手法としては上図の青1番だけでアタックするやり方と、青1番と青2番の2人で奪いに行くダブルチームでいくやり方がある。
良いタイミングでボールを奪えればカウンターのカウンターになりチャンスに出来るが、逆に交わされてしまえば致命的なピンチを招いてしまう。
ここでの守備の対応に正解は無くチームとして迷いなく決断するのが重要である。
ただ、3vs2は意外と簡単に点が決まる局面では無いので許容してしまうのも一つの手である。
2vs2
味方の上がり>相手の撤退
相手の撤退よりも味方の上がりの方がはやい場合は味方の上がりを待つためにボールホルダーはボールを真ん中に運びながら時間を作る。
味方はボールホルダーをオーバーラップする。
青の相手DFは2vs2→2vs3へ移行したのを見て守り方を少し変えないのいけない。
攻撃はDFの対応が間に合う前に前進するパスを出すのが鍵である。
ボール保持者が首を振って後ろを確認する時間はほぼないので後ろから状況(撤退と味方の上がり)を伝える掛け声を掛ける共通意識をチームとして持つのが有効である。
味方の上がり<相手の撤退
味方の上がりより相手の撤退の方がはやい場合は撤退が間に合う前にフィニッシュまでいくか、お互いが組織化するまで待つ(遅攻)の2つの選択肢がある。
ボール保持者に突破力があるとき→アイソレーション(1vs1)の創出
ボール保持者が1vs1のドリブル、シュートを得意としている場合は非ボール保持者がセグンドに流れてボール保持者を孤立させることで1vs1を作るのが有効である。(これにより局所的な2vs2→1vs1になる。)
相手の撤退がすぐ後ろから来ていることを考えると、速やかに縦に運んでシュートを撃つのが無難である。
ボール保持者がカットインしたとき、シュートの可能性が低ければセグンドがピヴォとなり、二人組の関係(ピヴォーフィクソ)で崩すのが有効である。
ボール保持者にシュートの自信があればセグンドの選手がゴレイロのブラインドになるように横切るのが有効である。
ボール保持者に突破力が無いとき→二人組の関係を意識
二人組の関係といっても様々存在するが、今回はその中でも特に有効な次の3つを紹介する。
- アラコルタ
- ワンツー
- カーテン(orブロック)
アラコルタ(ボールに寄る動き)によりゴールにより近い位置でボールを受けれて、少ない工数でフィニッシュまでいけるので1番有効な手段である。
しかし、ボールの出し手と受け手の意思疎通であったり、受け手のトラップからシュートまでの一連の技術が求められる。
ボールホルダーに厳しくプレスがかかっている場合は非ボール保持者が水平サポートしてあげることでワンツーを狙うのが有効である。
相手DFのマーク交換を誘発させ、一時的なシュート(ドリブル)コースを確保する目的でカーテンやブロックは有効である。
まとめ
この記事ではトランジション数的同数の局面について解説しました。
数的不均衡の局面にフォーカスされがちで数的同数は軽視される傾向にありますが、非常に頻繁に起こりかつ重要な局面です。
特にテンポライズは相手DFが対応を変えないといけないので、これをチームとして意識できるだけで得点力が格段にアップします。
また、トランジション差1(2vs1,3vs2)にも密接に関係のある局面なのでセットで整理しましょう。
最後まで記事を読んでいただき誠にありがとうございます。
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