ピヴォ(PIVO)とは?
ピヴォは、フットサルにおける最前線に位置する攻撃的なポジションであり、サッカーでいうところのフォワードに相当します 。ポルトガル語で「先端、軸、中心」という意味を持つこのポジションは、常にゴールを狙い、攻撃の中心としてチームを牽引します 。
ピヴォの主な役割は、相手陣内で体を張ってボールをキープし、得点を奪うことです 。多くの場合、相手チームのフィクソ(ディフェンダー)と対峙し、味方からの縦パスをしっかりと受け止め、攻撃の起点となる「くさび」の役割を果たします 。単にゴールを決めるだけでなく、味方の得点をアシストしたり、ボールを保持することで相手ディフェンスラインを下げさせ、味方選手へのプレッシャーを軽減する重要な役割も担います 。
かつては、ピヴォには強靭なフィジカルが最も重要な要素であると考えられていましたが、現代のフットサルにおいては、フィジカルの強さだけではなく、ボールを巧みに扱いながらキープする技術や、広い視野を持ち、スペースを認識する能力も不可欠となっています 。また、フットサルの基本的な戦術の一つである「ピヴォ当て」の中心となるポジションであり、この戦術の成否はピヴォの能力に大きく左右されます 。
フットサルのコートはサッカーの約9分の1と狭いため、ピヴォが前を向いてボールを受け、シュートを打つことは非常に困難です 。そのため、多くの場面でピヴォはゴールに背を向けた状態でプレーすることになり、ディフェンスを背負いながらボールを受け、素早く反転してシュートを狙う動きが基本的なプレーの一つとなります 。
フットサルのピヴォが果たすべき役割は?
フットサルにおいて前線のポジションであるピヴォだが、感覚的にピヴォをプレーしている人も多いのではないだろうか。
ピヴォを置かないクワトロというシステムがあるように、ピヴォの役割や動きにフォーカスされることは少ない。またチームの練習でも、ピヴォの人数が少ないために、どうしてもアラやフィクソの動きに関する練習になってしまいがちだ。
ピヴォの選手がレベルアップするためには、ピヴォの役割や動き方をしっかりと理解し、練習中や試合中にアウトプットすることが必要だ。
この記事では、
- フットサルにおけるピヴォの5つの役割
- ピヴォの選手のプレーの特徴
- ピヴォに向いている人
- ピヴォが味方の特徴を知る重要性
の4点について詳しく解説する。
この記事を最後まで読み、自身のプレーと照らし合わせ、ピヴォとしてのレベルアップを目指してほしい。
フットサルのピヴォの役割は5つ!
フットサルのピヴォの選手には大きく5つの役割がある。
具体的なピヴォの5つの役割は以下の通りだ。
- ピヴォ当てのパスコースを確保する
- 前線でボールをキープしてタメを作る
- ターンして自らゴールを狙う
- パスをして味方のゴールをアシストする
- チームのために守備をする
基本的な内容ばかりだがどれも重要だ。
もしあなたがこれらの項目をクリアしているなら、あなたは「良いピヴォ」であるといえる。
また、これらの中に一つでも苦手な項目があるならば、ピヴォとしてのプレーに改善の余地があるはずだ。
それぞれの項目について丁寧に解説していくので、「自分の強み」と「これからの課題」を発見して頂きたい。
ピヴォの役割①ピヴォ当てのパスコースを確保する
フットサルのピヴォの1つ目の役割は、味方のアラやフィクソがピヴォ当てするコースを確保することである。
ピヴォ当てという言葉があるように、ピヴォ当てはフットサルの王道戦術である。フットサルにおいて最前線のピヴォにパスを出すことはとても重要である。
そして、ピヴォがピヴォ当てのパスコースを確保することもまた重要である。その理由は以下の3つだ。
- 味方のアラやフィクソが、パスの選択のひとつとして、前方へのパスを選ぶことができる。
- 前方にいるピヴォがボールを受けることで、相手ゴールに近づくことができる。
- 相手に、ピヴォへのパスコースを意識させることができる。
まず、ピヴォ当てのパスコースを確保することで後方の味方のパスの選択肢をひとつ増やすことができる。もし相手守備が組織的に強いプレスをかけてきたとき、前方にパスの選択肢があるとないとでは、味方のパス回しに大きな違いが生まれる。
次に、ピヴォ当てのパスコースを確保することで、ピヴォ当ての試行回数や成功確率を上げることができる。ピヴォ当てがより多く成功すれば、ゲームを優位に進められることは間違いない。
また相手からすれば、ピヴォ当てのパスコースがあるだけで、より集中して守備をする必要がでてくる。もし相手がピヴォ当てを嫌がり、前からのプレスを避けたりパスコースを切るポジショニングを取り始めたのなら、味方はよりスムーズな攻撃をすることができる。
フットサルのピヴォは、適切なポジショニングをとりコート上のスペースを認識することで、ピヴォ当てのパスコースを確保することが大切である。
ピヴォの役割②前線でボールをキープしてタメを作る
フットサルのピヴォの2つ目の役割は、前線でボールをキープしてタメを作ることである。
タメを作るとは、ボールをキープすることで相手の注意を自分に引きつけ、味方にスペースと時間を与えることである。
ピヴォが前線でタメを作ることで相手のディフェンスラインを押し下げ、後方の味方がフリーな状態でボールを受けなおすことができる。また、ピヴォが相手の視点を引き付けることで、味方が相手の背後を取ることができる。
ピヴォの役割③ターンして自らゴールを狙う
フットサルのピヴォの3つ目の役割は、前線でボールを受けた後にターンすることでゴールを狙うことだ。
ピヴォのターンはフットサルのゴールパターンのひとつであり、非常にシンプルな攻撃方法である。またターンは個の技術なため、味方の能力や状態に依存しない。つまり、ターンできるピヴォはどのチームで重宝される。
また、ターンできるピヴォは相手からしても厄介な相手だ。相手には、パスとターンの両方を想定して守備をする必要性が生じる。仮にピヴォがターンを苦手としていても、ターンする可能性を相手に意識させることは大切である。
ピヴォの役割④パスをして味方のゴールをアシストする
フットサルのピヴォの4つ目の役割は、前線でボールを受けた後、パスして味方のゴールをアシストすることだ。
これはターンのように個の力が問われるプレーではなく、味方との連携することでゴールを狙うものである。そのため、相手の強さに寄らず通用する戦術である。
前線でボールを持ったピヴォが味方のゴールをアシストするパターンは主に3つある。
ピヴォのアシストパターンの1つ目は、ピヴォを目掛けて走り込んできた味方の足元に距離の短いパスをすることである。これは得点につながる確率が高く、ピヴォのアシストパターンとしてよく見られる。
ピヴォのアシストパターンの2つ目は、前線の空いたスペースにボールを出し、そのスペースに走り込んだ味方がゴールを決めるパターンである。ピヴォに対して厳しいプレッシャーがかけられている場合には、体勢が整っていなくても正確なパスを出せるピヴォの技術が必要である。
ピヴォのアシストパターンの3つ目は、後方の味方に距離の長いパスを出し、パスを受けた味方がロングシュートで得点するパターンである。後方からのシュートなので得点になる確率は下がるが、シュート力のある味方がいる場合は十分にゴールにつながる可能性がある。
ピヴォの役割⑤チームのために守備をする
フットサルのピヴォの5つ目の役割は、チームのために守備をすることだ。
フットサルにおいてピヴォは一番攻撃的なポジションの選手だが、それは守備をしなくても良いという意味ではない。フットサルのコート上には1チーム5人しかいないため、1人でも守備を怠ると相手チームの得点につながってしまう。
ピヴォが守備で意識するべきことは以下の4点だ。
- 相手に1対1で抜かれない
- 前線に抜ける動きをした自分のマークにしっかりとついていく
- 味方守備のカバーリングをする
- 味方が数的不利であれば自陣まで撤退する
これらに加えてチームの守備戦術を理解することで、ピヴォは攻撃と守備の両面でチームの力になることができる。
フットサルのピヴォは相手ゴールに背を向けたプレーが多い
フットサルのピヴォの特徴として、相手ゴールに背を向けたプレーが多いことが挙げられる。
ピヴォがスペースでボールを受けた際、相手フィクソと距離がある場合がある。このときピヴォは、ターンして相手フィクソと正対し、1対1を仕掛けることも可能である。
しかし、ターンせず相手ゴールに背を向けたままボールを保持する方が無難である。その理由は以下の3点である。
- 相手フィクソとボールの間に自分の体を入れることで、ボールを失うリスクが低くなる。(関連:ピヴォの役割②前線でボールをキープしてタメを作る)
- 相手ゴールに背を向けているとシュートを打てないと思われがちだが、相手フィクソを背負った状態でターンしてゴールを決めることも十分可能である。(関連:ピヴォの役割③ターンして自らゴールを狙う)
- 自陣方向を向いているため、他の味方の動きを把握し適切なパスを選択しやすい。(関連:ピヴォの役割④パスをして味方のゴールをアシストする)
相手フィクソと正対し、1対1を仕掛けるのも戦術のひとつだが、あえて相手ゴールに背を向けることでゴールにつなげることができる。
フットサルのピヴォには「上手い人」より「強い人」が向いている
フットサルのピヴォは「上手い人」より「強い人」が多い。
ここで述べる「上手い人」とは、テクニックがありセンスあるプレーをする選手である。また「強い人」とは、ガツガツ体で勝負し粘り強いプレーをする選手のことだ。
「上手い人」が活きる場面は、相手のプレッシャーが弱く、選手にスペースが与えられているときである。しかし、ピヴォには常に相手フィクソが付きまとい、またフットサルコート自体も狭い。「上手い人」の特徴を最大限に活かせるポジションは、ピヴォではなくアラやフィクソである。
フットサルのピヴォには、相手のプレッシャーが強くスペースがなくても戦える「強い人」が向いている。
フットサルのピヴォは味方の動きを理解して意思疎通を図ろう
フットサルのピヴォは、個の力を高めるだけでなく味方のプレーを知ることも大変重要である。
例えば、味方アラがトラップした後のタッチでピヴォ当てを狙うと知っていたら、そのタイミングに合わせてパスを受ける動きをすれば簡単にピヴォ当てを受けることができる。
ピヴォは味方のプレーについて、以下の3項目を知っておくべきである。
- 後方の味方がピヴォ当てするタイミング
- ピヴォ当て後、味方のパスを受ける動きの特徴
- 後方の味方が裏抜けするタイミング
これらの情報は、味方とコミュニケーションをとるだけでは得ることができない。自分のプレーを言語化することはとても難しいため、その味方が自身のプレーの特徴を把握できていない可能性があるからだ。
そのため、味方とコミュニケーションを取りつつプレー動画等を用いて味方の動きを知る必要がある。
まとめ:ピヴォの役割を認識してレベルアップを目指そう
この記事では、フットサルのピヴォについて基礎的な部分を解説した。
この記事の要点をまとめると以下のようになる。
- フットサにおいてピヴォには5つの役割がある
- ピヴォはゴールに背を向けたプレーが多い
- 「上手い人」より「強い人」の方がピヴォに向いている
- ピヴォは自分だけでなく味方を知ることも大切である
フットサルのピヴォには、アラやフィクソとは異なる役や動きが求められる。この記事を読んでピヴォ独自の特徴を理解し、「ピヴォ」になる手助けになればと思う。
最後になるが、フットサル大学フットテックではフットサル戦術に関する記事を多数用意しているので、ぜひ目を通して頂けるとありがたい。
最後まで記事を読んでいただき誠にありがとうございます。
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