トランジションとは?
トランジションは4大局面(フェーズ)の一部
トランジションとは定位置攻撃と定位置守備の間にある攻守の移り変わりに相当する局面である。
- トランジション攻撃=ポジティブトランジション=カウンター
- トランジション守備=ネガティブトランジション=被カウンタ
フットサルにおいてトランジションから生まれるゴールがすべての局面において1番多いと言われていて、トランジションを制する者はフットサルを制すると言われることもあるぐらいフットサルにおいて非常に重要な局面である。
トランジションからゴールが生まれやすい理由は次の3つが主に上げれる。
- 組織が整っていないカオスな状態
- 数的不均衡(数的有利、不利)が発生しやすい
- 一人あたりの選手に与えられるスペースが多い
この中でも数的有利を活かせられる要素が大きいと言われている。
そのトランジションオープニングを制するために必要な要素は切り替えの速さと言われている。
トランジションが必ずしもフットサルにおいて1番ゴールが決まる局面だとは限らない。場合によってはセットプレーや定位置攻守の方が多くゴールが生まれることもある。
ただ、多くの試合のデータを集計すると自ずとトランジションからのゴールが生まれやすい傾向にあるという研究結果が出ている。
サブフェーズ(副局面)への分解
トランジションの局面はオープニング、プロセス(数的同数or数的不均衡)、フィニッシュの3つに大きく分類される。
この中でもオープニングが1番重要な局面であり、オープニングを制する者はトランジションを制すると言っても過言ではない
トランジションのエッセンス
ピンチとチャンスは表裏一体(ピンチ⇔チャンス)
数的不均衡の状態でボールの所在が変わっても基本的のその数的不均衡は保たれたまま、攻守が入れ替わる。
ピンチだったチームはチャンスとなり、チャンスだったチームはピンチを招くことになる。
上図は攻撃側が2vs0の局面でゴレイロにシュートをキャッチされた例を示している。
ゴレイロがボールを前に投げれば2vs0から2vs4の局面に移行する。
このように常にピンチとチャンスは表裏一体であることを考慮してトランジションに取り組むことが重要である。
このような理由からこのブログではトランジション攻撃とトランジション守備をセットで解説している。
切り替えの速さ
「切り替えを速くしよう」というワードは耳にタコができるくらいチームで言われている人がほとんどだと思われるが、果たして切り替えの速さの定義とは何でそれを向上させるために何が必要なのだろうか?
切り替えの速さとは次の局面に向けて脳を入れ替えて適切な動き出し(プレー)をすることである。
その局面になる前から予測して適切なポジショニングをとる
そもそも、その局面になる前にそれに適したポジショニングをとっていれば、急いで撤退をしなくてもボールを奪え返せたり、逆に素早くカウンターに転ずることが出来る。
フットサルの敵陣攻撃においてフィニッシュトライアングルという概念があるが、特にリバウンドポジションの選手がトランジションのオープニングを制する上で非常に重要である。
具体的に言うと、シュートを撃った後ゴレイロがゴール前に弾いた場合、お互い整ってないカオスな局面になるため、実質的なトランジションが発生する。
このこぼれ球に先に触れるかor相手に先に触られてもすぐにプレスにいけるかが、このリバウンドポジションの有無にかかってくる。
また、最後尾でバランスをとる選手を1人配置することも忘れてはいけない。
つまり、フィニッシュトライアングル(三角形+1)を作ることがトランジションのオープニングを制する上で非常に重要なのである。
反射的に動く(考える前に感じる)習慣を作る
人は一度習慣にしてしまえば逆にそれをやらないことが気持ち悪くなる修正がある。
この原理を利用して、ゴールが決まった時以外はとりあえず自陣に戻る&ボールを奪われたら奪われた瞬間に奪い返しに行くことを習慣にしてしまえば、頭で考えなくても自然に体が反射的に動くようになる。
トランジションという局面は非常にカオスな(混沌とした)状態で0.1秒を争う局面なため考えてから動き出すのではもう遅い。そのため考える前に感じて反射的に動くプログラムを体にインストールすることが重要である。
これは口先だけで「切り替えを速くしよう」と言うだけでは出来るものではなく、日々のトレーニングから意識して習慣化しないといけない。
カオス(混沌)の中に秩序を持つ
とりあえず撤退&味方を追い越す習慣が出来ても、「具体的にどこにいけば良いのか?」が分からなければ意味がない。
細かい局面ごとに整理してその局面に応じた適切なアクションを理解してアウトプットすることが重要である。
言い換えると、チームとしてのトランジションのプレーモデル(戦術)を決定し、実践するということである。
トランジションの種類
トランジションをボールラインより前にいる選手の数で細分化すると上図のように分けられる。
- 数的同数(1vs1,2vs2,3vs3,4vs4)
- 数的不均衡 差1(1vs0,2vs1,3vs2,4vs3)
- 数的不均衡 差2 (2vs0,3vs1,4vs2)
の大きく3つに分けられ、相手の撤退と味方の追い越しによって推移していく。
この図でいうと左上に行けばいくほどゴールが決まりやすく、反対に右下に行けばいくほどゴールは決まりにくい。
つまり、攻撃は左上の局面を目指し、守備は右下の局面を目指すのが得策である。
数的同数
数的同数という局面は非常にゴールが決まりにくい局面のため、フィニッシュまでいくかあえて攻撃を遅らせる(遅攻)判断が求められる。
また、味方の上がりを待って(テンポライズ)数的有利の状況を作り出せば一気にゴールのチャンスを高めることができる。
試合の流れや状況を見て最適な決断を下さないといけない。
相手の撤退より味方の上がりの方が早い時、味方の上がりを待つためにボールホルダーがあえて攻め急がず、時間を作ること。
これにより味方の枚数を増やすことが出来るのでゴールの可能性を格段にアップできる。
数的不均衡
差1(1vs2,2vs3,3vs4)
チームによってクオリティに差が出やすい上、試合中に頻繁に起こる局面。
トランジションに注力したいのであればまず最初に取り組むべき局面と言える。
差2(2vs0,3vs1)
圧倒的攻撃側が有利な局面であるが、意外と奥が深い&軽視されがちな局面。
この局面を決めきれずカウンターのカウンターを食らって失点することは少なくない。
(このパターンの失点は2点分のダメージになるため精神的なダメージも大きい)
最後まで記事を読んでいただき誠にありがとうございます。
↑にSNSシェアボタンがございますのでこの記事が有益だと思った方はシェアして頂けると幸いです。
Twitterでフットサルの戦術に関する有益な情報を発信していますのでまだフォローしていない方はフォローお願いします!
私達は日本のフットサルの競技レベルを上げるためにFリーグや海外での指導経験のある方との意見交換を通じて良質な情報を発信しています。
何か分からない点、間違っている箇所がございましたら↓のコメント蘭からお気軽にコメントください。
定期的に記事更新していますので今後も読みたいと思った方はブックマークの登録 or 「フットテック」で検索していただけると幸いです。