フットサルをはじめて間もない人のほとんどはクワトロ・ゼロ(4-0)に対する守備をマンツーマンで守る方法しか知らないのではないのだろか?
しかし、ある程度クワトロをやり慣れている相手に対し、マーク交換無しのマンツーマンDFで対応すれば大量失点を招きます。
個の力が低いチームがマンツーマンDFをするのは背後をとられ、スペースを活用されるリスクが大きいので非常に危険です!
クワトロに対しては様々な守り方がありますがマンツーマン気味の回転型四角形(ボックス)で守るのが一番無難と言えます。
このDFをチーム全員がマスターすればクワトロは何も怖くなくなります。
今回の記事を読むにあたって複数DFラインの構築という概念が非常に重要になってきます。
まだ↓の記事を読んでない人はまず先にそちらを読んでから読むようにお願いします。
基本原則
複数ラインの距離、四角形をコンパクトに保つ
青4番はアラにべったりつくのではなく、上図のようにラインとラインの距離感をコンパクトに保つことが重要である。
そして、4人の距離感が平行四辺形(ひし形)になるような陣形を意識するば、抜けてきたフィクソに対して簡単に対応できる。
連動
ボールが動いたらDFはしっかり連動し、引き続き以下の2点を意識する。
- フィクソからアラへの一つ飛ばしのパスを切る
- ボールと逆サイドの2列目の選手は絞る
この2点さえ意識出来ていればそう簡単には崩されない。
一つ飛ばしのパスコースと逆アラの絞り
クワトロに対する守備はボックス型(2-2)の配置が主流なのでボックス型の守備を解説する。
ボールがフィクソにある時、ボールホルダーと反対サイドの2列目の選手(青4番)は相手にべったりつくのではなく、上図のように絞り、2nd lineと3rd lineの間隔をマネジメントするのが重要である。
悪い例 ①絞りが甘い
相手の陣形に合わせてしまい、守備陣形が台形になってしまい、裏へのケアが疎かになってしまうのは初心者にありがちな典型的な悪い例である。
このような守り方をすればフィクソの二人組の関係(中パラや中ワンツー等)でライン間を使われてしまい、簡単にシュートまでいかれてしまう。
このように簡単にゴールまでいかれてしまう。
特に4人が横並びになるようなクワトロに対して裏のケアを怠れば簡単に失点を招く。
悪い例② 一つ飛ばしのパスを許容
実際のところ一つ飛ばしのパスを許容すること自体が問題なのではなく上図のように青2番が相手のフィクソにべったりとついてしまう位置どりをしてしまうと、フィクソが抜けてきた場合に混乱する。
青4番が抜けたフィクソを捕まえて、青2番はボールホルダー(アラ)にプレスをかけにいかなければいけないのだが、あの位置からだと距離感が遠くなってしまい前にボールを運ばれる可能性がある。
3 on lineに対する守備
フットサルの攻撃、特にクワトロにおいて複数ラインを吸収する狙いで3 on lineを意図的に形成することは多い。
この3 on lineに対する守備は非常に難しく、攻守の駆け引きが多く発生するフットサルの真骨頂とも言えるほど面白い局面である。
ボールホルダーにプレスが掛かっている時
1stDFがボールホルダーにプレスにいけている場合は裏にボールが出せないので、残っているパスラインを牽制する。
上図のように青1番は相手の前に入って背後の二人へのパスラインを封鎖する。
ボールホルダーにプレスが掛かってない時
3 on lineの真ん中の選手に対しては程よい距離感を保ち、相手とゴールの間に位置するポジションどりをすることが重要である。
では、この程よい距離感とは一体、何なのか?
それは次の二点を意識した距離感である。
- 飛ばしのパスをギリギリカットできる距離
- アラコルタでライン間を有効活用されない距離
飛ばしのパスコースを切りすぎると上図のようにアラコルタ でライン間に侵入される。
アラコルタされまいと相手の前に立てば、背後から回られてライン間を使われる。
かと言って、青3番がアラに対してべったりつけば、先ほど見せた例のようにフィクソの裏抜けに対応できなくなる。
そのため、ラインを押し上げる飛ばしのパスは基本的に許容したくはないが、切りすぎることで生じるリスクの方が大きいため、半分諦めるしか無い。
だから、3 on lineは非常に厄介で強力な戦術なのである。
3 on lineで飛ばしのパスが出た場合は抜けたフィクソを後ろの選手(青3番)にマークを受け渡し、青1番はアラにプレスをかけるのが基本原則である。
何度も言うが、この局面でマーク交換を行わない守備をすれば、センターレーンに広大なスペースを空けてしまうので非常にリスクがある。
3 on lineに対してマーク交換を行わなかったがために中パラ(センターレーンでのパラレラ)から失点するシーンでご確認ください。
サイドで守備組織が崩れたときの対応
このマーク交換を逆手にアラのバックドアを行うチームは上のカテゴリーに行けば行くほど多い。
サイドで崩された場合は、上図のように青3番がスライドして対応し、その空いたマークに1つずつずらし、守備を旋回させる。
今回はバックドアを取り上げたが、アラによるドリブル突破や二人組の関係(ワンツー、パラレラ)で崩された時も同様に有効な応急処置である。
トライアングルの守備
クワトロの攻撃において3 on lineを形成したストロングサイドに可能性が無ければウィークサイド に展開することでトライアングルを形成する。
この局面で主に考えられる攻撃がDFの2nd lineを突破する手段は次の二つである。
- 二人組の関係(ボールホルダーとライン間の選手)で崩す
- 逆アラのバックドア
マンツーマン気味の対応
マンツーマン気味に対応するのは、相手にマークにつかれているプレッシャーを常に与えられるメリットが有る一方、裏へのカバーが手薄になってしまうデメリットが有る。
この時重要なのは、青3番がDFの2nd lineを突破されることを予測しながらカバーリングすることである。
ゾーン気味の対応(複数ラインの構築)
この記事の趣旨とは少し逸れるが、複数ラインを構築するゾーン気味の対応について解説する。
- 青4番がプレスにいく=1stDF
- 青2番がライン間、飛ばしのパスを牽制=2ndDF
- 青1番がフロート(2nd linenの形成)= 3rdDF
パラレラやワンツー等で1st lineを突破されたらフロートした青1番が対応してカバーリングする。
マンツーマンDFと併用して選択的(オルタナティブ)に取り入れるのも一つの選択肢である。
ハーフでのクワトロに対する守備
今回説明した守備は自陣まで引いたハーフの守備にも同様に応用できる。
Y字でのクワトロに対する守備
この記事では解説しないが、Y字型のゾーン気味なDFでクワトロに対応するやり方もあり、そういうチームも少なくない。
しかし、必然的に1列目と2列目で数的優位を創られてしまうことから、筆者はあまり推奨していない。
まとめ
今回はクワトロに対するボックス型の守備について解説しました。
クワトロは裏のスペースを有効活用する狙いがあるので後ろの選手は裏へのケアを常に意識することが重要になってきます。
攻撃と守備は表裏一体なので守備を知る上で攻撃を知ることもとても重要です。
クワトロについて詳しく解説した記事がございますのでもし宜しければそちらも見てみてください!
最後まで記事を読んでいただき誠にありがとうございます。
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