フットサルをやっている人であれば一度は『エントラ』という言葉を耳にしたことがあるのではないだろうか?
巷ではライン間で受ける動きのことを『エントラ』、『エントラリーニャ』とよく言われているが、残念ながらそれではスペインでは通じない。
正確にはエントレリアネス(entre lineas)なので『エントレ』が正しい言い方である。(entreは前置詞で英語でいうbetweenやintoに相当する。一方entraは入るという意味のentrarを活用した動詞である。そのため、「エントラ」単体で発すると主語がないためスペインでは「入れ!」という意味で誤解される恐れがある。)
正しい発音を知りたい人はGoogle翻訳で音声読み上げを行って確認することをおすすめする。
では、ライン間(エントレリアネス)とは何のことを指してるのかご存知でしょうか?
結論から言うとエントレリアネス(ライン間)とは相手DFのラインとラインの間のことである。
この記事ではライン間の定義から戦術的メリットや具体的なライン間を活用した戦術まで徹底解説します。
エントレリアネスとはDFラインの間のスペース
フットサル戦術におけるエントレリアネス(ライン間)とは、守備側が構築するDFラインの間のスペースのことである。
言葉の定義に従うと以下3つのエントレリアネスが存在する。
- DFの1st-lineと2nd-lineのライン間
- DFの2nd-lineと3rd-lineのライン間
- DFの3rd-lineと4th-line(ゴレイロ)のライン間
この中で最もフットサルで重要視されるのは1つ目の1st-lineと2nd-lineの間であり、「エントレリネアス」といえばこれを指すのが一般的である。
このように、エントレリアネスを正しく理解するには、守備側の複数DFラインの構築について理解しておくべきである。
ライン間に対する間違った認識
Web上でフットサルに戦術について調べると間違っている情報が散見される。
今回はよくあるライン間に対する間違った認識を紹介する。
一つ目の例として挙げられるのは大雑把にDFの間だという考え方である。
確かに上図の赤(黒A)の選手はライン間からサポートしているが、このような解釈は適切ではない。
二つ目の例は同一dfラインの選手と選手の間という考え方である。
これはただの選手と選手の間であり、ライン間ではない。
この間違った認識の元生まれた言葉が『ライン間を突破する』というフレーズである。
『ライン間を活用する(使う)』、『ライン間に侵入する』などの使い方は正しいが、ライン間は突破するものではない。
ライン間を活用する戦術的メリット
ライン間を活用する戦術的メリットは複数ラインを構築するDFに迷いを与えることである。
上図のようにライン間にボールが入ったとき、1st-lineと2nd-lineどちらの選手が対応すべきか?という迷いが生まれ、結果的に守備の綻びを生じさせることが出来る。
ライン間で受ける人の利き足の重要性
ボールのあるサイドと同じ利き足の選手がライン間に入るのが望ましい。
そうすることで、相手DF(青1番)から遠い方の足でトラップして速やかにターンして前を向くことが可能となる。
また、ターンする前に一度首を振って前方の状態を確認することが非常に重要である。
ボール保持者と1stDFの距離感
プレスが掛かってない
ライン間を狙うときはボール保持者にプレスがかかってないことを確認した上で行う必要性がある。
プレスが掛かってる
プレスが掛かってしまうと、1stDFにライン間へのパスコースが切られる上に2ndDF(青1番)が残って逆アラ(赤3番)へのパスラインを牽制してしまい、詰んでしまう。
もしこの様になった場合はライン間の選手が再び1列目に落ちてきてボール保持者(赤2番)を平行サポートするのが望ましい。
ライン間のとり方
ライン間の活用は様々な陣形で可能であるが、今回は3-1における一番よくある典型例を紹介する。
フィクソがライン間
守備の原則として背後を回って選手を受け渡すようにしているチームが多いので、フィクソは極力相手DF(青1番)の背後を回ってライン間に移動するのが望ましい。
逆アラがライン間(旋回)
逆アラが死角から侵入してくるのでDFは非常に対応しにくい。
このときフィクソ(赤1番)は幅をとってフロアバランスを回復させる。
このような1連の動きをフットサルでは旋回(ヘドンド)と言う。
ライン間を使った実際の攻撃
1列目が対応してきた場合
ライン間からのピヴォ当てが出来るようピヴォはサイドに流れるのが望ましい。
少し技術はいるがライン間からダイレクトでピヴォ当てができるとボールをロストするリスクを減らしつつ前進することが可能となる。
進まないワンツー
進まないワンツーをすることで相手DFラインを押し下げることができる。
バックドア(ワンツー)
赤2番のマークが近い場合は進まないワンツーが出来ないので速やかに背後を狙いに行きワンツー(バックドア)を狙う
ターン
体を入れて背後からプレスにきたDF(青1番)の足の届かないところにボールを運ぶ。
2列目が対応してきた場合
進まないワンツー(リターン)
2列目が対応してきたときに無理に前を向こうとするとボールをロストする可能性があるのでアンパイにリターンするのが無難である。
逆アラのバックドア
逆アラのバックドアで2列目が食いついたことで空いたスペースを活用
相手DFのエラーがあればライン間を経由しないで直接蹴っても良い。
最後まで記事を読んでいただき誠にありがとうございます。
↑にSNSシェアボタンがございますのでこの記事が有益だと思った方はシェアして頂けると幸いです。
Twitterでフットサルの戦術に関する有益な情報を発信していますのでまだフォローしていない方はフォローお願いします!
私達は日本のフットサルの競技レベルを上げるためにFリーグや海外での指導経験のある方との意見交換を通じて良質な情報を発信しています。
何か分からない点、間違っている箇所がございましたら↓のコメント蘭からお気軽にコメントください。
定期的に記事更新していますので今後も読みたいと思った方はブックマークの登録 or 「フットテック」で検索していただけると幸いです。