近年、欧州をはじめ世界的にゴレイロを5人目のFPとして攻撃参加させる
この戦術は個の能力が低いためグループ戦術で格上に立ち向かう必要性があるチームには必ずあったほうが良い戦術である。
前提
チームに求める能力
- 止める蹴るの基礎的なスキル
- GKの足元(パス、トラップ、シュート)の技術
- ピヴォのキープ力
- メンタル(ゴールをがら空きにした状態でも冷静な判断をする能力)
メリット
- 常に数的優位を作れる
- 相手のプレスを回避出来れば敵陣での数的優位を作りやすく、ゴールまで直結できる
- 少ない運動量で敵陣に侵入できる(交代が少ないチームに向いている)
- 相手に守備のガイドラインが無ければ迷いを与えることが出来る→守備組織の破壊
デメリット
- ゴールを空けてしまう→失点のリスク
- 相手が引いてしまったら本来使えたはずのスペースを活用できなくなる
- 相手に守備のガイドラインがあれば効果を発揮出来ない→はめられる
初期配置
初期配置を速やかにとることがこの戦術を成功させる一つの鍵である。
- ピヴォ2枚がコーナー付近に位置取り、幅と深さをとる
- ゴレイロは開いて幅をとる
- フィクソがキッカーをマイナスサポートする
まずはじめに相手がマンツーマン気味のDFをしてきたときの攻撃の仕方について解説する。
(対ゾーンDFは最後に解説します。)
まずはピヴォあてを狙う
無理にゴレイロを活用することにとらわれるのではなく、ゴレイロへのパスコースが空いていれば簡単にピヴォあてすることで前進することが重要である。
ピヴォへのマークがきついとき:間接ブロック
ピヴォが止まって受けようとすれば相手フィクソに前に入られてインターセプトされる可能性が非常に高くなる。
そんな場合はピヴォが流動的に動き、ポジションチェンジや間接ブロックをすることで相手のマークを振り切りフリーで貰うことが可能になる。
相手がマンツーマンDFのとき
オーソドックスなオープニング
一発でピヴォあてや逆サイド(ゴレイロ)への展開が狙えない場合はマイナスサポート(赤2番)とパス交換して相手DFを揺さぶる。
逆サイド(ゴレイロ)へ展開
マイナスサポートへのプレス(青2番のプレス)が厳しいときはギャップが空きやすいので、ギャップを狙う。
このとき、青1番がギャップのコースを塞ごうとしてきたら次のような手段をとる。
- アラコルタで(ボールに寄って)ダイレクトで逆サイドへ展開
- トンパ(コントラピエ)で縦突破を図る(ピヴォあても可)
- もう一度マイナスサポートにリターンパス
青2番から赤2番へのプレスがかかってなければ直接ゴレイロへ展開できる。
ゴレイロにジャンプされたとき
パスが弱かったり、ずれてしまった関係で相手DFがジャンプ(二度追い)してきたら無理に前に運ばず前に蹴る。(ピヴォあて)
ジャンプされなかった場合
ジャンプされなければそのまま敵陣に持ち上がり敵陣で3vs2の数的優位を作る。
相手が釣り出されなければシュートまでいく
相手が出てこなければシュートを狙う。
ゴレイロにシュート技術がないのに可能性のないシュートをうてばカウンターをくらい失点するリスクが高まる。その場合はセグンドへのシュート性のパスでゴールを狙うというチームとしての共通意識を作るのが望ましい。
相手が釣り出されればパスを選択
敵が釣り出されれば必ずどこかが空くので、空いた人、スペースを活用する。
相手がゾーンで守ってきた時
この戦術に対してはマンツーマンで守ってくるチームが多いが、時にはゾーン気味にDFしてくるチームもあるため、その対抗策を提示する。
ライン間に1人落ちる(列落ち)
相手がゾーン気味で守ってきた時はライン間を活用して相手DFを困惑させる。
- 赤2番はゴール前まで幅を取る
- ピヴォのどちらかがライン間に降りてくる(チームによって決定)
- ゴレイロが居ない方のサイドのスペースを確保
ボールホルダーを両サイドから追い越して数的優位を作る
ライン間にボールが入ったら速やかに両サイドの選手は高い位置をとり、敵陣で数的優位を作って簡潔にフィニッシュまでいく。
まとめ
如何でしたでしょうか?
ゴレイロを5人目のFPとして攻撃参加させることは躊躇されがちですが、チームとして共通意識をもって日頃から練習に取り組んでいれば、試合でも十分活用できます。
特に格上とやるときは数的優位をつくる手段として非常に有効です。
場合によってはこの攻撃な対して自陣まで引いてハーフで守ってくる相手もいるかもしれませんので、これを一つオプションとして持っているだけで簡単に敵陣に侵入出来るようになります。
最後まで記事を読んでいただき誠にありがとうございます。
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