敵陣キックインは直接ゴールが認められないためキッカーがチョンしてシューターが「ドン」とシュートを撃ち簡単にゴールを狙う「チョンドン」が有名である。
そんなチョンドンはシンプルではあるものの分かっていても止められない非常に強力なセットプレーである。
この記事ではチョンドンの全てのオプション(大きく分けて4つ)を一つ一つ細かく丁寧に解説する。
チームとして敵陣キックインのサインプレーをたくさん用意しなくてもチョンドンさえ極めればゴールを量産することが出来るため、是非この記事で理解して頂けると幸いです。
壁の理論
- ボールから5m離れる
- ニアとファー2人立つ(ゴールが入る気配のない低い位置or角度の無い高い位置であれば1人でもよい)
- インプレーになったらどちらかの選手がボールにアタック(基本、ファー側の選手が行く)
壁をニアから作るかファーから作るかはチームによって変わる。(ニアから作るチームが多い)
基本的に壁2枚でゴール一個分のシュートコースをある程度消すことは出来るが、セグンドへのコースは消しきれないのでニアを壁に、ファー(セグンド)をゴレイロに分担させるチームが多い。
この壁の作り方の場合、ニアのシュートコースは完全に塞ぎたいのを理由にニア壁は固定(ストーン)にしてファー側の壁がボールにアタックする。
シューターがボールに近い時
シューターがボールに近い時はニアとファーの壁が割れないようにくっつく。
このとき壁の位置がずれていれば後ろからゴレイロが声を出して修正する。
シューターがボールから離れている時
シューターがボールから離れている時(助走が長いとき)はファー側の選手が相手とファーポストを結んだライン上に立ち、キッカーのポジション移動と同時に少しずつ修正する。(シュート時にはニア壁とくっつくように意識する。)
初期配置とオープニング
利き足、個人の能力を考慮して選手を配置する。
キッカーがボールをチョンしたらすぐにシューターの背後を回る。
(シューターの背後を回る狙いはリバウンドポジションを埋めることと壁を割らせることである。)
フィニッシュトライアングルと選手の役割
シュート時にフィニッシュトライアングル(シューター、セグンド、リバウンド、バランスによって作られる3角形+1の陣形)を意識する。
各々の選手が自分が常にどの役割を担っているのか意識して自覚をもってプレーすることが重要である。
この役割は攻撃パターンによって変動する
パターン1 チョンしてドン
チョンドンの1番の狙いは直接シュートでゴールを狙うことである。
狙うべきコースはニア
チョンドンでシュートを選択する場合はゴールから最短距離のニアを狙うのが基本である。
ゴールの入りやすいシュートコースはニアのゴレイロが足を伸ばして届かない少し浮いたコースと上隅である。
地面から少し浮いたコースは壁が足を伸ばしてカットできる可能性があるのでニアの上隅を狙ったほうが壁を攻略しやすい(上を狙うと壁の股間の高さを通るため、DFはカットしにくい&避ける可能性大)
パターン2 セグンド、ピヴォ利用
壁が割れてセグンドへのコースが空いてるとき
この動画では高い位置のキックインのため相手チームは壁は一枚しか作っていない。(実際はこの位置ではギリギリ2枚居たほうが良い)
ニア壁(ストーン)が前に出てきて食いついたとき
チームによってはチョンドンを警戒してニアもしくは両方(ニアとファー)が前に出てくることがある。
その場合はシュート(キック)フェイントで1タッチ前にボールを運ぶことでDFを剥がすのが有効である。
今まで通り、状況に応じてニアorセグンドを狙うのも良いが、セグンドにピヴォを配置している場合はピヴォを使った攻撃も有効である。
このような狙いであえてピヴォをセグンドに配置しているチームは多い。
パターン3 キッカー(リバウンド)→シューター(リバウンド)
このとき気をつけるのが真後ろ(180度)にヒール(ピサーダ)でパスをするのではなく、タッチラインと垂直(90度)になるようにヒールでパスしてカットインしやすいボールをだしてあげることである。
パターン4 バランス→シューター
バランスの選手がフリーのとき
後方でバランスをとってる選手がフリーのときはグラウンダーパスを出してミドルシュートを撃つのが有効である。
特に高い位置でのキックインのときは角度的にも撃ちやすい。
出しどころが全く無いときはゴレイロを使うことも選択肢として持つ。
バランスの選手に相手がべったりついてる時
バランスをとってる選手にマンツーマンでべったりマークをつかれているときは背後を狙うのが有効である。
グラウンダーパスをカットされてカウンターを食らうリスクがあるため基本的にはループパスからのボレーシュートを狙うのが基本である。
グラウンダーのパスが確実に通せるのであれば通しても問題ない。
相手の状況に応じて、背後を狙うか足元で受けるか選択できるのがベストだが両足でのシュート技術が求められるため難易度は高い。バランスにいる選手の利き足を考えてどっちのオプションを選択するか意識したほうが良い。
まとめ
チョンドンはチョンしてドンするだけではなくこのように様々なオプションがあります。
良いセットプレーというのは相手にある狙いを読まれてもそれを逆手に取って別のオプションが選択できるセットプレーです。
無闇にサインプレーのパターンを増やすのではなくまずはチョンドンだけにフォーカスして質を高めることをおすすめします。
チョンドンの質を高めることでキッカーやシューターが抜けるトリッキーなセットプレーが有効になるので、ある程度完成度が上がってきたら新しいセットプレーを導入してみては如何でしょうか?
最後まで記事を読んでいただき誠にありがとうございます。
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