【チェスから習う】ストロングサイドとウィークサイドを考える3つの優位性

フットサルをある程度やっていると、たまに『ウィークサイドへボールを展開しろ』、『ストロングサイドを構築しろ』などの言葉を耳にする人も多いのではないでしょうか?

結論から言うと、あるチームから見て優位なサイドをストロングサイド、不利なサイドをウィークサイドと一般的に呼びます。

しかし、何を持って優位なのか不利なのかはそのチームの主観によって左右されるので厳密には定義できません。

この記事ではストロングサイド、ウィークサイドを考える上で重要な概念、ポジショナルプレー3つの優位性について解説します。

3つの優位性とは?

3つの優位性

チェスでは古くから各局面における駒の配置(ポジション)によって生じる3つの優位性から戦術が生まれ、ゲームの結果を決定づける『ポジショナルプレー』という考え方が浸透していました。

この考え方は近年のサッカーにも応用されており、無論フットサルにも適用できます。

その3つの優位性を一つずつ解説します。

  • 数的優位性
  • 質的優位性
  • 位置的優位性

数的優位性

数的優位性は文字通り、あるゾーンにおいて相手チームの選手の数を自分のチームの数が上回ることで優位なることであり、チェスでは量的優位と言われています。

トランジションやパワープレーでは顕著に生じる優位性です。

定位置攻撃でも上図のように2列目の選手がラインカットすることである一定ゾーン(1列目)で数的優位が生じるケースもあります。

このように、ある一定のゾーンで数的優位が発生することを局地的数的優位と呼びます。

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質的優位性

質的優位性とは個人の能力で相手を上回る優位性です。

ドリブルの美味い選手を孤立させるアイソレーション戦術は特にこの質的優位性を生かした戦術と言えます。

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質的優位性に寄与する個の能力は大きく次の4つに分類されます。

  • テクニック
  • フィジカル
  • インテリジェンス
  • メンタル

テクニック

テクニックは選手個人がボールを扱う足元の技術のことを指します。

  • トラップ
  • パス
  • ドリブル
  • シュート

テクニックは一つ一つ理論的に理解しながら体に染み込ませることが重要であり、時には物理法則を考えることで簡潔に理解することが出来ます。
また、テクニックはこの後説明するフィジカルの能力によっても左右されます。

フィジカル

フィジカル(physical)とは肉体的、物理的という意味であり、選手個人の物理的な要素を指します。

  • 速さ(スピード、アジリティ、瞬発力)
  • パワー(体重、インナーマッスル、アウターマッスル)
  • 手足の長さ、身長

体重は意外と軽視されがちかもしれないが結論、体重は極力重い方が良いです。

運動の第二法則、ma=Fという物理法則を考えれば体重が重い方がより少ない加速度でパワーを伝えられることが明白です。

そのため、体重が重い人ほどシュートと球際が強い傾向になります。

しかし、体重とアジリティは反比例しやすい傾向にあるため体重の増やしすぎには注意が必要です。

インテリジェンス

インテリジェンス(intelligence)は知性という意味であり、脳内の思考、IQ、視力などに起因する。具体的に言うと戦術理解度であったり状況判断能力のことです。

選手がチームのプレーモデルを理解し体現することは勿論のこと、短い時間で認知し適切に決断する能力もこれに含まれます。

認知する能力は脳ではなく、視力(動体視力、静止視力)に起因するので視野を広くするトレーニングを別途行うことクラブチームも存在します。

メンタル

メンタル(mental)は精神状況を指します。

一見、インテリジェンスと同じに思えるかもしれないが、メンタルはその日のコンディションや試合会場の雰囲気、シチュエーションに大きく左右し、時にはフィジカルやインテリジェンスにも影響を与えかねない重要な要素なので分けて考えます。

メンタルは他の3つの要素と比べて一番伸ばすのが難しい要素でその人の今までの経験や生い立ちに左右されやすい要素です。

プロの選手で精神科やスポーツメンタルを専攻している専門家を専属でカウンセラーにつけてトレーニングしている人もいるほど限界の力を発揮する上で重要視されます。

近年では今この瞬間に集中する瞑想、マインドフルネスによるメンタルトレーニングがスポーツに適用されはじめています。

位置的優位性

位置的優位とは、相手に迷いを生じさせたり、相手が嫌がるような位置をとることで生まれる優位性と体の向きで決まる優位性です。

フットサルで言うと、相手の死角や背後で駆け引きしたり、相手DFのライン間でボールを受けれるように位置どることを指します。

同じ位置でボールを受けたとしても体の向きが違えば優位性は変わってきます。

結果的に位置的優位性が数的優勢に繋がるケースが多いです。

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3つの優位性を追求するポジショナルプレー

バイエルンやマンチェスターシティーで指揮をとった経験のあるグアルディオラは3つの優位性をを生み出す手段としてポジショナルプレー(配置論)の考え方をフットボール(サッカー)に適用している。

配置論とはどこどの向きで配置するかを考える概念であり、これを意識していかに3つの優位性を高めて戦術(社会)的優位にたつかを考えます。

ここで特に大事なのは「誰を置くのか?」という概念です。

具体的な例を出すと、フットサルで3-1という配置をとったとき前線の1にがたいが良く背負える選手を配置するか、小さいけど足元のある選手を配置するかでは全然変わってきます。

このように誰を配置するかを強く意識することが重要です。

参考文献

ストロングサイドとウィークサイドは表裏一体

ストロングサイド、ウィークサイド は片方のチームが主観的に決めるサイド(ゾーン)なので攻守(自チームと相手チーム)を入れ替えて考えればストロングサイドとウィークサイドは反転する。

つまり、攻撃側にとってのストロングサイド守備側にとってのウィークサイドに、またその逆に攻撃側にとってのウィークサイド守備側にとってのストロングサイドになり得る。

この考え方を意識しないとストロングサイド、ウィークサイドがどちらのサイドを指しているのか分からなくなるため非常に重要である。

この考え方はトランジションの局面で重視されるのでトランジションにおける図を提示しておきます。

守備側から見た場合

フットサル コートの分割 ストロングサイドとウィークサイド

攻撃側から見た場合

フットサル コートの分割 ストロングサイドとウィークサイド

まとめ

今回はストロングサイドとウィークサイドを考える上で重要な3つの優位性について解説しました。

少し抽象的で難しく感じたかもしれませんが、プレーモデルを考えたりゲーム分析をする上で重要な概念なので理解しておきましょう。

まとめ

ストロングサイドとウィークサイド を考える上で3つの優位性(数的優位、質的優位、位置的優位)を考えることが重要。

ストロングサイドとウィークサイド は表裏一体。

この記事があなたのチームがより多くのゴール(チェックメイト)をとれるヒントになることを祈ります。

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