特殊局面

パワープレーで求められる能力と7つの陣形 徹底解説

サッカーのパワープレーはCBなどの空中線の強い選手をFWに配置する戦術であるのに対し、フットサルのパワープレーとは、ゴレイロが5人目のFP(フィールドプレーヤー)として攻撃参加することで、5vs4の数的優位をつくって攻める戦術である。

数的優位になる一方、ゴールががら空きになってしまうので即失点する(パワープレー返しされる)リスクが高まるため負けているチームが試合終盤に行われることが多く、諸刃の剣とも言われる戦術である。

そのため、出場する5人には高い足元の技術が求められ、ゴレイロは技術のあるFPと選手交代するのが一般的である。

この記事ではパワープレーをやる上でどのようなメンバーと考え方が必要で、具体的にどのようなフォーメーションが存在するのか徹底解説します。

特殊局面 フットサル初心者にとって「特殊局面」はあまり聞き馴染みがなく、なんのことがさっぱり分からないのではないのだろうか。 結論から言う...
パワープレーをやる上での注意

4秒ルールとバックパスのルールは相変わらず適用されるので、ゴレイロ(交代して出るゴレイロ枠のFP)はしっかり敵陣に入ることが重要である。

相手陣内に入ってしまえばゴレイロもFPと同様にバックパスや4秒ルールは適用されなくなります。

フットサルのパワープレーをする5人の選出方法

フットサルでパワープレーを行うためには、ある一定以上の戦術を理解し、パワープレーに必要な技術を有した5人が必要である。

パワープレーに必要な人数は5人のため、必ずしもチーム全員がパワープレーを出来る必要はない。

しかし、ゴールをガラ空きにするパワープレーは失点のリスクも高いため、クオリティの高い5人を用意する必要がある。

では、パワープレーを行う5人のプレーヤーを選出するにあたり、どのような特徴に着目すればよいだろうか。具体的には以下の4つが挙げられる。

  1. ボールを正確に止めて蹴れる選手
  2. 左利きの選手
  3. ミドルシュートを撃てる選手
  4. パワープレーに対する戦術理解度が高い選手

これら4つの項目の詳細と、これらの特徴を有した選手が必要な理由をそれぞれ説明する。

①ボールを正確に止めて蹴れる選手

フットサルのパワープレーを行う選手が、ボールを正確に止めて蹴れる選手であることは非常に重要である。

フォーメーションによって足元の技術の重要度は異なるが、5人全員が一定水準以上の足元の技術を有していることが必須である。

フットサルのパワープレーでは、数的優位な状況でパスを回しながらチャンスを伺うことが多い。また、5人で攻めている影響で自チームのゴールはガラ空きである。

選手の足元の技術が乏しいと、確実に点をとることが難しくなり、カウンターで点を取られる可能性が高くなる。

また、足元の技術に非常に長けていて、決定的なパスを供給できる攻撃のキーマンとなる選手がいるとなお良い。

②左利きの選手

フットサルでは、左利きの選手の有無がパワープレーのクオリティに大きな違いを生む。

左利きの選手は最低1人、出来れば2人いることが望ましい。

その理由は、右サイドに配置する選手が左利きである方が、広い視野と正確なパスによってチャンスを演出できる出来るからである。

③ミドルシュートを打てる選手

フットサルのパワープレーでは、ミドルシュートを打てる選手が居た方が攻撃の幅が広がる。

相手陣形が崩れている場合に空かさずミドルシュートを打つのは勿論のことだが、パワープレーではエントラリーニャの選手がブロックをしてミドルシュートを選択する戦術もある。

また、ブロック&コンティニュー(ピック&ロール)を組み合わせたサインプレーなどを行う際もミドルシュートを打てる選手を後方に置いた方が攻撃の幅が広がる。

パワープレー時に相手ゴレイロにボールをキャッチされると、相手ゴレイロはガラ空きのゴールに対してパワープレー返しを成功させることができる。

パワープレー時にミドルシュートを打つ場合、ゴレイロにシュートをキャッチされないような強くて正確なシュートを打つ必要がある。

④パワープレーに対する戦術理解度が高い選手

パワープレーを行う5人は、フットサルのパワープレーに対する戦術理解度が高い選手である必要がある。

パワープレー以外の場面とは違い、パワープレー時は確実に点を取ることが求められる。

しかし、パワープレーはフットサルの戦術の中でも特に難解であるため、5人全員がチームのパワープレー戦術に精通していないと点は取ることができず、最悪の場合パワープレー返しにより失点をしてしまう。

また、型から外れたイレギュラーな状況にも対応できる臨機応変さも必要不可欠である。

フットサルのパワープレーの原則4選!

パワープレーをやる上で意識すべきことは次の4つである。

  1. 適切なタイミングでパワープレーを行う
  2. 共通意識を持つ
  3. 我慢強くプレーする
  4. パターンを多く持つ

順を追って見ていこう。

①適切なタイミングでパワープレーを行う

負けているからといってやみくもにパワープレーを開始するのはあまり良く無い。

定位置攻撃が上手くはまっている場合は無理にパワープレーをする必要は無く、試合の流れを見極める力が重要である。

また、残り時間と点差から逆算して○秒で○点とれば勝てるという勝利の方程式を立て、チームでそのイメージを共有することが大事である。

②共通意識を持つ

チーム内で共通意識を持つことは、フットサルのどんな戦術をやる上でも重要なことである。

日頃の練習を通して試合に出るメンバー全員が戦術を理解し、チーム(セット)としてやりたいことを頭の中で想い描くことが大事である。

③我慢強くプレーする

ビハインドの状況でパワープレーをしていると、ついつい焦って際どいところを狙ってしまうが、パワープレー返しのリスクを考えるとリスクを犯したプレーは良くない。

リスクは極力犯さず、数的優位を生かしてボールを素早く回し、相手の守備に綻びが出た時に確実にフィニッシュでまで持っていくのが定石である。

野球に例えるなら、ボールぎりぎりの際どいボールには一切手を出さず我慢強く待ち、ストライクど真ん中の球を全力で振ることが大切である。

ただ、残り時間がほとんど無いときは例外である。

④パターンを多く持つ

パワープレーのフィニッシュや陣形のパターンは出来るだけ多く持っておいた方が相手の守備は混乱する。

サインプレーも幾つか持っておくと、より厚みのある攻撃が出来るだろう。

陣形の種類はこの後説明するが、一つの陣形でずっと攻めるより、試合中にヘドンド(旋回)などを通じて陣形を変化させた方が相手守備は混乱する。

フットサルのパワープレーのシステム(陣形)紹介

パワープレーのシステムの種類は幾つか存在する。

プロのパワープレーは一つのシステムに固定せずサインプレーを織り交ぜながらフォーメーションを変化させ、相手の守備を混乱させる。

今回は代表的なシステムを5つ紹介する。

ハウス型(1-2-2)

ピラミッド

一番オーソドックスなハウス型システム。

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後方の3枚でパスを回しながら一つ飛ばしのパスを窺う。

前線の選手にボールが入った時にもし相手の守備が連動していなければ、ファーに速い球を送り逆サイドの前線の選手が合わせるのが典型的なフィニッシュのパターンである。

パワープレーをはじめてチームに導入する場合は一番無難なシステムと言えるだろう。

ボックス型(2-1-2)

ボックス

2-2のボックスライン間(エントレリネアス)というシステム。

エントラの選手は狭いスペースでプレーしないといけないので広い視野、高い状況判断能力、足元の技術などが求められるため、少し難しいシステムである。

一方、攻撃のバリュエーションが多く極めると脅威的な強さを発揮する。

特にエントラの選手が背後からブロックするプレーはかなり脅威的である。

また斜めの3 on lineが2ライン形成されているのも肝である。

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ダイヤ型(1-3-1)

ダイヤモンド

4人のダイヤモンドの中心(エントラ)に1人を配置した陣形。

ボックス型の配置を45度旋回させた陣形のためサインプレーで二つのフォーメーションを使い分けるのが有効。

3 on lineが縦と横に2ライン形成される。

2-3(2-2-1)

台形

採用するチームは少ないが体が強く球が収まるピヴォがいるとき有効。

前線の一枚(図の一番)はピヴォあてからのチャンスメイクだけでなく、相手ゴレイロを妨害することや、ファー詰の役割を担う。

また、時には二列目に落ちてくることでエントラでパスを受けてチャンスメイクする。

ピラミッド(ツリー)型(1-2-2)

ピラミッド

最後尾の選手を中心にピラミッド型に広がっていくシステム

左右に3 on lineを形成しているため、この3 on lineを有効に活用する。

後ろのトライアングルでパスを回し、3 on line の真ん中の選手にボールが出た時、相手が前に食いついたら、アラコルタでライン間突破を狙う。

中を切られていたらスルーしてサイ抜けするなど攻撃のバリュエーションは増える。

左右非対称型

左右非対称

基本的に今まで説明してきた陣形は全て左右対象の陣形であったのに対して左右非対称の陣形を指す。

オーバーロード・アイソレーション型

オーバーロード

オーバーロードとは片方のサイド(一定のエリア)に意図的に人数を集中させ、もう片方のサイド(別のエリア)にスペースを作り出すことでアイソレーションを作る戦術である。

初期の陣形で採用するケースは少なく、旋回やポジションチェンジを通してオーバーロードを形成することが多い。

混沌とした陣形を形成するため守備の乱れ、局所的数的優位が発生しやすく、とても有効で、Fリーグや海外のフットサルでは試合中によく見る戦術である。

まとめ

フットサルのパワープレーは、奥が深くとても面白い戦術である。

ネット上にはパワープレーに関する情報が非常に少なく、難しい戦術だと敬遠されがちである。パワープレーを疎かにするチームも多く、カテゴリーが下がれば下がるほどパワープレーを選択肢に持っているチームは減少傾向にある。

しかし、パワープレーの選択肢はチームの力になることは間違いない。また、パワープレーの練習をしない場合、相手チームがパワープレーをしてきた際に守り方が分からず大量失点を招く危険性がある。

これを機にチームでパワープレーを検討してみてはどうだろうか。

最後に

最後まで記事を読んでいただき誠にありがとうございます。
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